私は探偵である。
本名は探田偵介48歳、いまだにHDDレコーダーの予約にてこずっている。気さくに探偵と呼んでほしい。
ある程度ゲームに通じていれば、誰しもゲームで徹夜した経験があるものだ。
スマイルブームはゲームに関連したソフトウェア企業であると情報にはある。ならば、スタッフ達の事件(何の?)当夜のゲームの記憶を洗ってみるのも手ではないか。それが今回の依頼だった。
初めて徹夜したゲームは?
私こと探偵は極秘裏にスタッフに接触し、証言を引き出した。あの日(何の?)の深夜、何をしていたか証明できますか?
証言A
「あまり記憶がはっきりとはしないけど、印象的なのは『DIABLO』のネットワークプレイかな」確かに対人プレーはしばしば徹夜しやすい傾向にある。時差のあるネットRPGならますますだろう。
「それか、『マイト・アンド・マジック』のVIとかVIIとか」とか、って。
「アクション性の少ない3Dの『マイト・アンド・マジック』が本当に好きでさあ。オレの中では最高のRPGなんだよ」システム的には近いからこその「VIとかVIIとか」ということか。同じシステムの新作が待たれるところかもしれない(あるのか?)。
証言B
「友達と一緒に……」やはり対戦プレーが多い。これが事件の鍵になるのだろうか……。
「『スーパーペーパーマリオ』を」待て、それ1人プレー専用じゃなかったか。だいたいつい最近のゲームだし。
「いや、だから友達が遊んでるのを飲みながら見てて、ときどき越せない場面でコントローラー代わったり」遊んだうちに入るんだろうか、それは。
証言C
「徹夜でゲームのプログラム組んでた話?」いや、そういうんじゃなくって。
「上の階の人が遊んでる『スーパーマリオ』の音がうるさくて朝まで起きていたことも……」うん、そういうのでもない。
「誰だか知らないけどアパートの床は薄いし、あの人すぐ最初のクリボーにやられるんだもん。BGMが始まったと思ったらすぐ途切れるから気になって気になって」たしかに不自然すぎる。もしや上の階の住人のそういうアリバイ工作という事はないだろうか。
証言D
「一番最初というと、プレステの『テイルズ・オブ・ファンタジア』かな」初めてにしては新しいソフトとも思えるが、確かに10年前のゲームだ。こういう証言があってもおかしくはないだろう。
「PCの『ディアブロ2』もかなりやりましたよ。ときどきネットで友達呼んで」ディアブロシリーズは人気だな。やはり鍵はネットワークか。
「今でもプレステで『1』を遊ぶことあるけど、1人ですねえ」それは、まあ。
証言E
「初めて徹夜したのは凄く印象に残ってますよ。『琥珀色の遺言』の続編のやつ」具体的なようなそうでないような証言だ。
「ええとほら藤堂龍之介シリーズのパート2で、そうそう『銀色の羅針盤』、じゃなかった『金色の羅針盤』。あれ大好きでねえ」大好きなわりに最後まで『黄金の羅針盤』という正式タイトルが出てこなかった。はたしてこのアリバイは事実と言えるのか……?
証言F
「友達とファミコン版の『Dr.マリオ』をずっと遊んでたら……」対戦ゲームで熱くなっていつしか朝といえば、なるほど一つの定番ではある。
「固い床で体育座りし過ぎたせいで、尾骨を若干骨折した」とうとう新たな事件が起きてしまった。傷害にあたるのだろうか。
- 対人プレーで徹夜する例多し
- 健康には気をつけてほしい
- 集合住宅ではくれぐれも深夜の音漏れに気をつけて