プチコンmkII

プチコンmkII 初心者講座

RND()命令

プログラマーからひとこと

あなたがここを読んでいるということは、おそらくもうIF~THEN文を使いこなせるようになったころだと思います。

いや、ビット演算子とかは、まあ、いいんです。「IF 条件文 THEN 命令」の形をおぼえていればそれでOKです。
おめでとう、それをおぼえたあなたはかなりイケてます。

このIF~THEN文と、ある命令さえあれば、もうゲームがひとつできてしまうのです。
けっきょくもうひとつ命令をおぼえるのかよ! と思うかもしれないですが、ここまで読んできたあなたにとっては、もうよゆうすぎるくらいの簡単さです。
重要な命令なのに簡単なんて、わりと世の中ちょろいもんです。
その命令は、RND()命令といいます。

でたらめな数

ワンパク「アール・エヌ・ディー命令……。リパブリックRepublicナウNowデッドDeadのこと……か。
神崎「いやいやいや。
インテリ「ワンパク君は英語がニガテでも、そういうボキャブラリーは持ってるんだね。でもRNDは「でたらめ」って意味の「ランダムRaNDom」の略だよ。
ワンパク「なんだと? デタラメをオレに教えようってのか! なかなかパンクだぜ、いいドキョウじゃねえか!
神崎「なにもかもオカシイような……。やる気になってるからいいか。
インテリ「じゃあカンタンな例から説明するよ。
A=RND(10)
RND()命令は、こういうカタチで使うんだ。
神崎「左のは変数だね。
インテリ「こうやって()でかこんだ数字と命令の組み合わせで、変数にトクベツなアクションをさせる命令は「関数かんすう」というんだけど……ややこしいから、今は気にしなくてもいいかな。
ワンパク「シンセツなんだかフシンセツなんだかわかんねェな! まあいいや、ツマリA=RND(10)と書いたら変数10RND()した数が入るんだろ? よくワカんねェけど。
インテリ「ダイナミックなリカイだけど、かなり合ってるよ。じゃあRND関数でなにが起きるのか、このプログラムで見てみよう!
0001#. A=RND(10)
0002#. PRINT A
RUN

OK
神崎「変数が入った……ということだよね。
インテリ「ところが、もう1回RUNすると、どうなるかな?
RUN

OK
ワンパク「ン? 同じプログラムなのになんでに入る数字が変わってんだ?
RUN

OK
RUN

OK
RUN

OK
ワンパク「オイオイ、RUNするタビに違うコトになってるじゃねーか! デタラメもいいとこだぜ……。デタラメ……? ハッ!?
インテリ「もう分かってきたかな。RND()は、「でたらめな数字を出す」という関数なんだ。
いまのプログラムは()の中に10が入ってるから、0~9までの10コのうちから数字をひとつ出すんだね。
神崎「ゼロから始まるから、RND(10)と書いても一番大きい数字は9までなんだね。
ワンパク「またコンピューターの「ゼロから数えはじめる」クセかよ……いつもながら、ピンとこねェぜ……。
まてよ……じゃあ、ゼロはいらねー、1から10で数えたいってトキはどうすりゃいいんだ?
神崎「えぇと、A=RND(11)にすれば……あれ、ダメだ。これでもゼロは出てきちゃうか。
インテリ「ちょっと頭のタイソウになるから、これを読んでる人もどうすればいいのか考えてみてね!
ワンパク「テメエ、その学習っぽさはハナにつくぜ! いいからサッサと教えやがれー!
インテリ「では、答を見てみようかな。こういうコトさ!
A=RND(10)+1
ワンパク「……ン?
神崎「ああ! そうか! 0~9のどの数字が出ても、それに1を足したら1~10になるね!
インテリ「モニタの前のみんなは気が付いていたかな?
同じように、10から100までの数字を出したいときは、RND(91)+10と書けばいいね。
ワンパク「ウーム……カンタンに言ってくれるが、コンピューター式の数え方はアタマがイテえぜ。
だいたい、この命令がなんのヤクに立つってんだ? ケッキョク、数字をデタラメに言ってるだけだろ?
インテリ「いちばんよく見るランダムの使い方といえば、RPGのダメージかな。もちろんデタラメな数字だけがすべてじゃないけど、同じステータスのモンスターから同じ攻撃を受けても、ダメージの数はちょっとずつ違うだろう?
神崎「よく「乱数らんすう」って言われるやつだね。
ワンパク「なるほど「ラン」ダムだから、「ラン」スウってことか。
神崎「そ、それはちがうんじゃないかな……。
インテリ「ほかにもアクションゲームの敵の動きにも使われたりするよ。たとえばコッソリRND(2)で0~1の乱数を出してみて、0なら左に、1なら右に向かう、とかね。
ワンパク「言われてみれば、落ちゲーで次に落ちてくるブロックも乱数だしな……。オイオイ、コイツはかなり使える命令じゃねェのか!?
ハカセ「さよう。ほとんどのゲームにはどこかで乱数が使われていると言っていいじゃろうな。せっかくじゃから、次回はジッサイに乱数を使ったゲームのサンプルプログラムも見せてしんぜよう。

今回のまとめ

RND()関数
(変数)=RND(最大数
ゼロから最大数マイナス1までのでたらめな数字を変数に入れます。
A=RND(10)で変数Aに0~9までの数字のうちどれかが入ります。
A=RND(10)+1とすれば、1~10になります。