RND()命令
あなたがここを読んでいるということは、おそらくもうIF~THEN文を使いこなせるようになったころだと思います。
いや、ビット演算子とかは、まあ、いいんです。「IF 条件文 THEN 命令」の形をおぼえていればそれでOKです。
おめでとう、それをおぼえたあなたはかなりイケてます。
このIF~THEN文と、ある命令さえあれば、もうゲームがひとつできてしまうのです。
けっきょくもうひとつ命令をおぼえるのかよ! と思うかもしれないですが、ここまで読んできたあなたにとっては、もうよゆうすぎるくらいの簡単さです。
重要な命令なのに簡単なんて、わりと世の中ちょろいもんです。
その命令は、RND()命令といいます。

アール・エヌ・ディー命令……。リパブリック・ナウ・デッドのこと……か。

いやいやいや。

ワンパク君は英語がニガテでも、そういうボキャブラリーは持ってるんだね。でもRNDは「でたらめ」って意味の「ランダム」の略だよ。

なんだと? デタラメをオレに教えようってのか! なかなかパンクだぜ、いいドキョウじゃねえか!

なにもかもオカシイような……。やる気になってるからいいか。

じゃあカンタンな例から説明するよ。
A=RND(10)
RND()命令は、こういうカタチで使うんだ。

左のAは変数だね。

こうやって()でかこんだ数字と命令の組み合わせで、変数にトクベツなアクションをさせる命令は「関数」というんだけど……ややこしいから、今は気にしなくてもいいかな。

シンセツなんだかフシンセツなんだかわかんねェな! まあいいや、ツマリA=RND(10)と書いたら変数Aに10でRND()した数が入るんだろ? よくワカんねェけど。

ダイナミックなリカイだけど、かなり合ってるよ。じゃあRND関数でなにが起きるのか、このプログラムで見てみよう!
0001#. A=RND(10)
0002#. PRINT A
8
OK

変数Aに8が入った……ということだよね。

ところが、もう1回RUNすると、どうなるかな?
7
OK

ン? 同じプログラムなのになんでAに入る数字が変わってんだ?
RUN
4
OK
RUN
0
OK
RUN
9
OK

オイオイ、RUNするタビに違うコトになってるじゃねーか! デタラメもいいとこだぜ……。デタラメ……? ハッ!?

もう分かってきたかな。RND()は、「でたらめな数字を出す」という関数なんだ。
いまのプログラムは()の中に10が入ってるから、0~9までの10コのうちから数字をひとつ出すんだね。

ゼロから始まるから、RND(10)と書いても一番大きい数字は9までなんだね。

またコンピューターの「ゼロから数えはじめる」クセかよ……いつもながら、ピンとこねェぜ……。
まてよ……じゃあ、ゼロはいらねー、1から10で数えたいってトキはどうすりゃいいんだ?

えぇと、A=RND(11)にすれば……あれ、ダメだ。これでもゼロは出てきちゃうか。

ちょっと頭のタイソウになるから、これを読んでる人もどうすればいいのか考えてみてね!

テメエ、その学習っぽさはハナにつくぜ! いいからサッサと教えやがれー!

では、答を見てみようかな。こういうコトさ!
A=RND(10)+1

……ン?

ああ! そうか! 0~9のどの数字が出ても、それに1を足したら1~10になるね!

モニタの前のみんなは気が付いていたかな?
同じように、10から100までの数字を出したいときは、RND(91)+10と書けばいいね。

ウーム……カンタンに言ってくれるが、コンピューター式の数え方はアタマがイテえぜ。
だいたい、この命令がなんのヤクに立つってんだ? ケッキョク、数字をデタラメに言ってるだけだろ?

RPGでダメージに使われるのが、いちばんよく見るランダムの使い方かな。もちろんデタラメな数字だけがすべてじゃないけど、同じステータスのモンスターから同じ攻撃を受けても、ダメージの数はちょっとずつ違うだろう?

よく「乱数」って言われるやつだね。

なるほど「ラン」ダムだから、「ラン」スウってことか。

そ、それはちがうんじゃないかな……。

ほかにもアクションゲームの敵の動きにも使われたりするよ。たとえばコッソリRND(2)で0~1の乱数を出してみて、0なら左に、1なら右に向かう、とかね。

言われてみれば、落ちゲーで次に落ちてくるブロックも乱数だしな……。オイオイ、コイツはかなり使える命令じゃねェのか!?

さよう。ほとんどのゲームにはどこかで乱数が使われていると言っていいじゃろうな。せっかくじゃから、次回はジッサイに乱数を使ったゲームのサンプルプログラムも見せてしんぜよう。
- RND()関数
- (変数)=RND(最大数)
ゼロから最大数マイナス1までのでたらめな数字を変数に入れます。
A=RND(10)で変数Aに0~9までの数字のうちどれかが入ります。
A=RND(10)+1とすれば、1~10になります。